定期預金は今でも日本人の主要な資産の預け先となっています。
以下は金融庁がまとめた資料ですが、日本人は米国や英国に比べて非常に多くの割合を現金・預金に割いています。

また定期預金は1000万円以上の大口で預け入れると優遇金利が適用されることもある制度なのです。
本日は、そもそも定期預金がどのような仕組みなのかお伝えした上で、代表的な銀行の定期金利を大口の場合を含めて比較していきます。
その上で、1000万円以上の資金をどこに預けるのが適切なのかという点についてもお伝えしていきますのでご覧いただければと思います。
Contents
定期預金の仕組みとは?
定期預金は銀行に長期間預け入れることによって普通預金よりも高い金利を享受することができるという仕組みです。
定期預金の金利が普通預金より高い理由
銀行は我々預金者に対して低い金利で借り入れを行い、事業者や住宅ローンで高い金利で貸し付けることにより利益を生み出す利鞘ビジネスを根幹としています。

皆さんがいつも使っている普通預金は預金者がいつでも引き出せることができる預金です。つまり、事業者に貸し出したいときに預金が枯渇して貸し出し資金を捻出できないという可能性があるのです。
そこで、ある一定期間預け入れることを前提とすることで銀行内の資金のストックを蓄えることができるので、対価として普通預金より高い金利を差し上げますよという制度になっています。
定期預金の預入期間と利子について
預入期間と利子については各行によって違いますが代表的なゆうちょ銀行の例をとってお伝えします。
預入金額
1000円以上(1000円単位)預入期間
1か月、3か月、6か月、1年、2年、3年、4年、5年のいずれかの期間をご指定いただけます。利子預入期間が3年未満のものは単利、3年、4年および5年のものは半年複利で計算します。
参照:ゆうちょ銀行
利子の欄ででてきた単利と複利に関して少し説明します。
単利は毎年、元々の元本に対して利息が発生する仕組みです。
例えば、100万円預け入れていて5%の金利の場合、単利だと毎年5万円ずつ金利を受け取ることになります。毎年利息を受け取ることができる代わりに、毎年利息は一定というデメリットがあります。
一方、複利の場合は100万円預け入れたら初年度の利子は5万円となります。翌年度は、初年度の元本100万円に利子を加えた105万円に対して5%の金利が発生し5万2500円となります。
複利の場合、毎年利息を受け取ることは出来ませんが、その代わり毎年発生する利息の金額は大きくなっていきます。複利の力は凄まじく、仮に5%複利で回せた場合、以下の通り飛躍的に利息の金額は加速していきます。
以下は金利が5%の場合ですが、10年間で発生する金利は初年度の1.5倍以上の水準になっています。
元本 | 利子 | |
1年目 | 100 | 5 |
2年目 | 105 | 5.25 |
3年目 | 110.25 | 5.51 |
4年目 | 115.76 | 5.79 |
5年目 | 121.55 | 6.08 |
6年目 | 127.63 | 6.38 |
7年目 | 134.01 | 6.7 |
8年目 | 140.71 | 7.04 |
9年目 | 147.75 | 7.39 |
10年目 | 155.13 | 7.76 |
ちなみに、半年複利だと更に有利になります。例えば半年複利5%の場合、半年経過した時に2.5%の利息が発生し、年後半に2.5%を加えた元本に対して2.5%の利息が発生するということになります。
元本 | 利子 | 年合計 | |
1年目前半 | 100 | 2.5 | 5.06 |
1年目後半 | 102.5 | 2.56 | |
2年目前半 | 105.06 | 2.63 | 5.32 |
2年目後半 | 107.69 | 2.69 | |
3年目前半 | 110.38 | 2.76 | 5.59 |
3年目後半 | 113.14 | 2.83 | |
4年目前半 | 115.97 | 2.9 | 5.87 |
4年目後半 | 118.87 | 2.97 | |
5年目前半 | 121.84 | 3.05 | 6.17 |
5年目後半 | 124.89 | 3.12 | |
6年目前半 | 128.01 | 3.2 | 6.48 |
6年目後半 | 131.21 | 3.28 | |
7年目前半 | 134.49 | 3.36 | 6.81 |
7年目後半 | 137.85 | 3.45 | |
8年目前半 | 141.3 | 3.53 | 7.15 |
8年目後半 | 144.83 | 3.62 | |
9年目前半 | 148.45 | 3.71 | 7.52 |
9年目後半 | 152.16 | 3.8 | |
10年目前半 | 155.97 | 3.9 | 7.9 |
10年目後半 | 159.87 | 4 |
一年複利の場合、10年目に貰える利子は7.76万円でしたが、半年複利の場合は7.9万円と若干ではありますが高い利息を受け取ることができるのです。
通常の定期預金の利率を比較!
それでは肝心の定期預金の利率について確認していきましょう。
大手行の定期預金金利は非常に低い
以下は代表的なメガバンクの三菱UFJの定期預金です。
期間 | 300万円未満 | 300万円以上 |
1ヵ月 | 年0.002% | 年0.002% |
2ヵ月 | 年0.002% | 年0.002% |
3ヵ月 | 年0.002% | 年0.002% |
6ヵ月 | 年0.002% | 年0.002% |
1年 | 年0.002% | 年0.002% |
2年 | 年0.002% | 年0.002% |
3年 | 年0.002% | 年0.002% |
4年 | 年0.002% | 年0.002% |
5年 | 年0.002% | 年0.002% |
6年 | 年0.002% | 年0.002% |
7年 | 年0.002% | 年0.002% |
8年 | 年0.002% | 年0.002% |
9年 | 年0.002% | 年0.002% |
10年 | 年0.002% | 年0.002% |
金額や期間によらず年率0.002%という水準になっています。これは他メガバンクであるSMBC、みずほ銀行も同様で足並みを揃えています。
年率0.002%という水準は殆ど0金利ですね。1000万円を預入れたとしても年間で200円しか金利を受け取ることができません。
1000万円を預けてもアイスクリームしか買うことができないわけですね。
一部ネット銀行の金利はましだが高いとは決していえない
ただ、一部ネット銀行では高い定期預金金利を提供しています。
代表的な銀行としてSBJ銀行の定期預金があります。
預入期間 | 適用金利 |
1ヶ月 | 0.03% |
3ヶ月 | 0.03% |
6ヶ月 | 0.03% |
1年 | 0.12% ※ |
2年 | 0.15% ※ |
3年 | 0.15% ※ |
5年 | 0.20% |
更に2022年2月9日までに新規口座開設をした顧客に向けて、以下の定期金利を適用するキャンペーンを実施しています。
預入期間 | キャンペーン金利 |
1年 | 0.25% |
2年 | 0.30% |
3年 | 0.30% |
その他にも各ネット銀行では大手行より高い金利を提供しています。通常金利でいうとあおぞら銀行BANK支店が一番高いですね。
銀行 | 預入期間 | ||
6ヶ月 | 1年 | 3年 | |
あおぞら銀行 | 0.15% | 0.20% | 0.15% |
BANK支店 | |||
オリックス銀行 | 0.10% | 0.12% | 0.27% |
ローソン銀行 | 0.03% | 0.03% | 0.03% |
大手行よりも高いとはいえ、低いことには変わりませんね。1000万円預け入れても年間2万円ですからね。
生活費の足しにすることは可能な水準ですが全く資産形成ができるレベルではありません。
***何故定期預金の金利水準はこれほどまでに低いのか?
何故、ここまで定期金利が低くなってしまったのでしょうか?以前は定期金利でも7%以上の金利が適用されている時代もあったのです。

しかし2000年からは殆ど0%近傍で推移しています。理由は日本の政策金利がバブル崩壊後に景気を浮揚させるために0%近傍に張り付いていることです。

銀行の貸出金利は日銀の政策金利にもろに影響を受けます。ゼロ金利政策が取られ、更にアベノミクスでの大規模な金融緩和によって銀行の貸出金利も1%を割り込む水準にまで低下しています。

先ほど申し上げた通り、銀行は利鞘ビジネスで収益を上げています。貸出金利が低い状況の現在、借り手である預金者への預金金利も低く抑えざるを得ないのです。
1000万円以上に適用される大口定期預金の利率とは?
銀行には1000万円以上の大口の預金者に適用される大口定期というものが存在しています。
大手行(メガバンク)の大口定期は通常と何も変わらない!?
大手銀行も大口定期を用意しています。
大口定期の特徴
- 1000万円から運用できます。
- 期間は1ヶ月から最長10年まで。
- 期限前解約時の金利情勢によっては、お利息が付かないことがあります。
- お預け入れ期間中に中間利息を受け取られた後、期限前解約された場合、解約時のお受取額が元本を下回る場合があります。(ただし、すでに受け取られた中間利息と解約時のお受取額を合算すれば、元本を下回ることはありません。)
参照:SMBC
満を辞しての大口定期の金利水準は以下となります。
期間 | 大口定期 |
(1,000万円以上の標準金利) | |
1ヵ月 | 年0.002% |
2ヵ月 | 年0.002% |
3ヵ月 | 年0.002% |
6ヵ月 | 年0.002% |
1年 | 年0.002% |
2年 | 年0.002% |
3年 | 年0.002% |
4年 | 年0.002% |
5年 | 年0.002% |
6年 | 年0.002% |
7年 | 年0.002% |
8年 | 年0.002% |
9年 | 年0.002% |
10年 | 年0.002% |
参照:SMBC
私も目を疑いしました。1000万円未満の場合と全く同じ金利水準なのです。正直言って何の旨味もない制度ですね。
ではネット銀行でもどうなっているのでしょうか?
ネット銀行の大口定期
ネット銀行も同様に大口定期であっても同じ金利が適用されます。
銀行 | 預入期間 | ||
6ヶ月 | 1年 | 3年 | |
あおぞら銀行 | 0.15% | 0.20% | 0.15% |
BANK支店 | |||
オリックス銀行 | 0.10% | 0.12% | 0.27% |
ローソン銀行 | 0.03% | 0.03% | 0.03% |
もはや何のための大口定期かと目を疑うレベルですね。
1000万円の資産を預けるべきなのか?
今まで見てきた通り、1000万円を預け入れる先として定期預金は全く資産形成に適していないことは火を見るより明らかかと思います。
ただ、定期預金を考えてる方としては出来る限りリスクを抑えた上で資産を増やしていきたいと考えている方が多いことと推察します。
他にも元本保証として積立型保険に関しても、最終的な運用リターンが1%未満で低すぎであり資産形成に資さないということを以前取り上げました。
→ 積立型保険で1000万円を目指す?より利回りが期待できる効果的な資産運用でより大きな資産を手にしよう!
私たちが今生きている世界は資本主義の世の中です。資本主義は「お金」が働いて「お金」を生み出すことがでいる素晴らしい世の中です。
2016年に世間を賑わしたトマピケティの21世紀の資本論でも資本収益率は常に4%-5%の水準で推移しているとの歴史的事実が確認されています。
平均して4%-5%程度の利回りが出ないものは資産形成を行う運用先としては適切とはいえない水準なのです。
仮に平均的な5%で運用した場合と、ある程度優秀な10%で運用できた場合の資産の推移は以下の通りとなります。

年利5% | 年利10% | |
1年目 | 1050 | 1100 |
2年目 | 1102.5 | 1210 |
3年目 | 1157.63 | 1331 |
4年目 | 1215.51 | 1464.1 |
5年目 | 1276.28 | 1610.51 |
6年目 | 1340.1 | 1771.56 |
7年目 | 1407.1 | 1948.72 |
8年目 | 1477.46 | 2143.59 |
9年目 | 1551.33 | 2357.95 |
10年目 | 1628.89 | 2593.74 |
10%で運用することができれば10年間で2.6倍にすることが可能となります。
ある程度の複利運用とはいっても元本割れのリスクはあまり負いたくないという方もいらっしゃると思います。
そのような方におすすめの方法が一流のファンドマネージャーによって運用されているファンドに預け入れることです。
筆者が投資をしているBMキャピタルでは平均年率10%のリターンを創設以来7年間安定して出しています。
更に注目すべき点は過去1度もマイナスの成績となったことがない点です。安全を第一に考えた投資手法で堅実にリターンをあげ続けているのです。
以下で詳しくお伝えしていますので参考にしていただければと思います。
まとめ
日銀の政策金利の低下によって定期預金の金利もゼロ近傍に沈み込んでいます。
資産形成どころか、お小遣いにもならない金額しか貰えないので定期預金は合理的な選択肢にはなり得ません。
今は金融環境も整ってきて、個人投資家でも下落耐性の高い魅力的な投資先に投資できる時代が到来しています。
以下でおすすめできる投資先を含めてランキング形式でお伝えしていますので参考にしていただければと思います。