投資信託「ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド」はロイヤルマイルの名前で親しまれている投資信託です。
ロイヤル・マイルはMorning Starのファンド・オブ・ザ・イヤー2020の国際株式型部門で最優秀ファンドとして評価されています。

本日はロイヤルマイルがどのようなファンドかお伝えした上で、実績についてお伝えしていきたいと思います。
Contents
ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド(愛称:ロイヤルマイル)の特徴とは?
まずはロイヤルマイルの特徴について見ていきましょう。
ベイリー・ギフォード・インベストメント・マネジメント(ヨーロッパ)リミテッドが運用を行う
運用はベイリー・ギフォード・オーバーシーズ・リミテッドの子会社であるベイリー・ギフォード・インベストメント・マネジメント(ヨーロッパ)リミテッドが行います。

ベイリーギフォード&カンパニーは1908年に創業した創業100年以上にわたる資産運用会社です。ロイヤルマイルは同社が運用するベイリー・ギフォード・ワールドワイド・ロング・ターム・グローバル・グロースファンドに投資をするという形式を取っています。

つまり、ベイリーギフォードと三菱国際投信の両者に手数料を支払う必要があるということの裏返しでもあります。
世界各国の株式に投資
ベイリーギフォードは世界各国の株式に分散投資することで世界の成長を取りこんでいます。2021年7末時点での各地域の分散度合いは以下となります。
世界の株式市場に比して米国と中国を多く取り入れていることがわかります。特に中国のオーバーウェイトは目を見張るものがありますね。
国・地域 | ロイヤルマイル比率 | VT(全世界)比率 |
アメリカ | 50.7% | 57.9% |
中国 | 24.9% | 4.4% |
オランダ | 6.2% | 1.1% |
フランス | 5.6% | 2.6% |
ドイツ | 3.4% | 2.3% |
カナダ | 3.4% | 2.7% |
韓国 | 1.8% | 1.5% |
スウェーデン | 1.8% | 1.1% |
まさに超大国ポートフォリオの様相を呈しています。
ロイヤルマイルの構成上位銘柄は米国と中国のハイテク銘柄で占められている
以下はロイヤルマイルの構成上位銘柄です。米国の大型テクノロジー企業群であるGAFAM-Tや中国のアリババやテンセントなどのBATHといわれるテックジャイアントが上位に犇いています。
銘柄 | 国・地域 | 業種 | 比率 |
Amazon | 米国 | 一般消費財 | 5.5% |
美団 | 中国 | 一般消費財 | 5.4% |
ILLUMINA | 米国 | ヘルスケア | 4.7% |
アリババ | 中国 | 一般消費財 | 4.5% |
テンセント | 中国 | コミュニケーション サービス |
4.5% |
テスラ | 米国 | 一般消費財 | 4.5% |
KERING | フランス | 一般消費財 | 4.2% |
NVIDIA | 米国 | 情報技術 | 4.0% |
PINDUODUO | 中国 | 一般消費財 | 3.9% |
ASML | オランダ | 情報技術 | 3.8% |
アマゾンはいわずとしれたアマゾンのサービス提供者ですが、最近はクラウドビジネスに力をいれており営業利益の40%程度をしめるまでに成長してきています。

昨年はコロナを機にEC事業が堅調に推移し、さらにクラウドサービスであるAWSが大躍進を遂げてコロナ前の2倍に株価を伸ばしています。
さらに勢いがあったのは構成5位にランクインしているテスラです。テスラは世界一の電気自動車の会社です。近年に急速に販売台数を伸ばしており昨年は以下の通り株価が大躍進しています。

ロイヤルマイルは二重で手数料を徴収されている
ロイヤルマイルの手数料体系は以下となります。
購入手数料:3.3% (税込)
信託手数料:年率1.5895% (税込)
ただ、ベイリー・ギフォード・ワールドワイド・ロング・ターム・グローバル・グロースファンドも信託報酬が発生しているので実質的な信託手数料は年率1.6445%となっています。
ロイヤルマイルのリターン(運用実績)
ロイヤルマイルの運用実績は以下となります。

赤色がロイヤルマイルのチャートで、灰色が全世界株式のチャートとなります。全世界株式が比較的一定の伸びを記録しているのに対して、ロイヤルマイルはコロナショック以降大きく上昇しています。
コロナショックを機に全世界でおきたことはハイテク企業の株価高騰でした。巣篭もり需要やリモートワーク関連、リモートワークに関連してセキュリティ銘柄などの幅広いハイテク企業の株価が勢いよく上昇していきました。
ロイヤルマイルは先ほど見てきた通り、中国と米国のハイテク銘柄に多くのポーションを割いています。結果として、2019年までは全世界株式と同様のリターンをだしていたのに、2020年になって急激に市場平均をアウトパフォームする結果をだすこととなったのです。
しかし、この勢いがいつまでも続くわけではありません。上記の図を見ていただければわかる通り2021年に入ってから横ばい相場が続いています。
赤:全世界株式
青:ロイヤルマイル

むしろ、全世界株に対して劣後する相場環境が続いているのです。調子のよいセクターはロテーションしていくのが世の定めです。
昨年上昇し続けたハイテク系の銘柄はしばらくは苦しい展開が続く可能性があることは念頭に置いておいた方がよいでしょう。
まとめ
ベイリーギフォードについて纏めると以下となります。
✔︎ベイリー・ギフォード・インベストメント・マネジメント(ヨーロッパ)リミテッドが運用を担当
✔︎全世界株式に分散して投資を行なっている
✔︎国別構成比率は全世界株式に比べて圧倒的に中国が大きい
✔︎米国と中国のハイテク企業が構成上位銘柄となっている
✔︎2020年はハイテク相場の追い風を受けて勢いよく上昇
✔︎2021年に入って軟調に推移しており全世界株式に劣後した成績になっている