昨今、米国をはじめとしたハイテク企業が盛り上がりを見せています。日本の投資信託の中にもロボティクス関連銘柄に投資をする投資信託が存在しています。
それが日興アセットマネジメントが運用する「グローバル・ロボティクス株式ファンド」が代表的ですね。
本日はグローバル・ロボティクス株式ファンドがどのようなファンドなのか?
グローバル・ロボティクス株式ファンドの成績と見通しについてお伝えしていきます。
Contents
グローバル・ロボティクス株式ファンドとは?
まずはグローバル・ロボティクス株式ファンドがどのようなファンドなのかという点についてお伝えしていきたいと思います。
投資対象はロボティクス関連企業
グローバル・ロボティクス株式ファンドは名前の通りロボティクス関連企業の株式を中心に投資を行います。
具体的にはAI関連企業やIoT関連企業への投資を実施します。ロボティクス産業は今後も需要拡大は必至であり、魅力的な投資対象ということができます。

IoTもAIも言わずもがなですが市場規模は今後も年々急拡大していきます。2021年7末時点での投資しているセクターは以下の通りとなります。
セクター | 構成比率 |
情報技術 | 44.9% |
資本財・サービス | 35.3% |
ヘルスケア | 9.1% |
一般消費財・サービス | 6.3% |
コミュニケーションサービス | 4.4% |
銘柄選定はラザード社が行う
銘柄選定は日興アセットマネジメント社が米国のラザード社に委託して運用を行なってもらっています。
ラザード社はニューヨークを拠点とする資産運用会社で1970年から運用を開始しています。機関投資家や公的年金などを主な顧客としており、信頼ができる資産運用会社と言えますね。
ただ、問題なのは後で解説しますが委託しているので手数料が高くなってしまいます。
国別投資比率は日米で7割
国別の構成比率は以下の通りとなります。日米で約7割を占めるにいたっています。
国 | 比率 |
米国 | 43.7% |
日本 | 25.4% |
フランス | 5.8% |
スイス | 5.1% |
ドイツ | 4.9% |
スウェーデン | 2.9% |
アイルランド | 2.6% |
韓国 | 2.1% |
オランダ | 2.0% |
台湾 | 2.0% |
ただ、正直米国の比率が低いというのが懸念されます。
ハイテクを牽引しているのは間違いなく米国であるほかの国は太刀打ちできません。比率として7割近くを組み入れてもよいのではないかと考えています。
構成上位10銘柄
グローバル・ロボティクス株式ファンドの構成上位10銘柄は以下となっています。
銘柄 | 国 | 比率 |
ABB LTD-REG 資本財サービス |
スイス | 4.1% |
アルファベット(グーグル) コミュニケーション サービス |
米国 | 3.9% |
シュナイダーエレクトリック 資本財・サービス |
フランス | 3.6% |
キーエンス 情報技術 |
日本 | 3.2% |
ダイフク 資本財・サービス |
日本 | 3.1% |
ロックウェル 資本財・サービス |
米国 | 2.8% |
日立製作所 情報技術 |
日本 | 2.8% |
INTUITIVE SURGICAL ヘルスケア |
米国 | 2.8% |
APPLIED MATERIAL 情報技術 |
米国 | 2.7% |
HEXAGON 情報技術 |
スウェーデン | 2.6% |
第1位のABBは自動化分野で事業を展開しているスイスの企業です。
ABBは、スイスを拠点に電力とオートメーション分野で事業を展開。公益事業者や工業・商業向けに送配電や電力設備の自動化用製品とサービスを提供。中・高電圧スイッチギア、ブレーカー、グリッドシステム、変電所用システム、ACドライブ、モーター、ロボット、低電圧スイッチ、制御製品などを扱うほか、生産プロセス自動化、品質管理用システムの製造を行う。
ABBの株価は以下の通り堅調に上昇しています。

また、2位のグーグルは言わずもがなGAFAMの一角をなす超巨大テクノロジー企業です。検索エンジンが有名ですが、ベンチャー事業を手がける子会社でAIやロボット、自動運転事業などを展開しています。
購入手数料と信託手数料は高額
グローバル・ロボティクス株式ファンドは以下の購入手数料と信託手数料となっています。
購入手数料:3.85% (税込)
信託手数料:1.936%(税込)
初年度は5.78%、その後2%ずつ手数料がたとえマイナスリターンでも徴収されるのは手痛いですね。
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グローバル・ロボティクス株式ファンドの成績とは?
それでは肝心なグローバル・株式ファンドの成績について見ていきましょう。
グローバル・ロボティクス株式ファンド単体の成績
以下はグローバル・ロボティクス株式ファンドの設定来のチャートです。

2021年4末時点 | 6ヶ月 | 1年 | 3年 | 設定来 2015年9月 |
リターン | 29.35% | 74.62% | 63.33% | 135.02% |
全世界株式や日経平均と比較
以下はグローバル・ロボティクス株式ファンドとeMAXIS Slim全世界株式ファンドの比較です。

特にコロナショックが顕著ですが、ハイテクが堅調に推移したことにより全世界の平均的な株式をアウトパフォームしていますね。
ハイテクETF「QQQ」や「VGT」と比較する
グローバル・ロボティクス株式ファンドがハイテク投信として優秀なのかを判断するためにはハイテクETFと比較する必要があります。以下は、ハイテクETFとの比較です。
グローバルロボティクス株式ファンド
QQQ(ナスダックの上位100銘柄)
VGT(米国情報セクターETF)

グローバル・ロボティクス株式ファンドはQQQやVGTにたいしてはb大きく劣後した成績になってしまっていますね。
ハイテク型の投資信託という意味では決して優秀とはいえなしでしょう。
グローバル・ロボティクス株式ファンドの今後の見通し
グローバル・ロボティクス株式ファンドが投資している分野は今一番有望なセクターです。以下はIoT市場規模の予測です。今後も毎年飛躍的に成長しているのがわかります。

また、AI産業の市場規模の予測ですが、こちらも急拡大しています。

長期的に成長していくのは確実なのですが、わかりやすく魅力的なので直近では割高感が高まり調整地合いとなっています。
今後も一本調子で上昇が続くとは考えない方がよいでしょう。既にハイテクが中心に組み込まれているナスダックは天井圏にあります。
ここからハイテクに現局面で買いに向かうのは一旦控えた方がよいでしょう。

まとめ
グローバル・ロボティクス株式ファンドは旬のハイテク銘柄に投資をしている投資信託です。
全世界株に対してはアウトパフォームしていますが、他のハイテクETFに対しては劣後した成績となってしまっています。また手数料がアクティブ型投信の中でも高い水準になっており敢えて投資する妙味はないといえるでしょう。
また、ハイテクセクターは長期的には魅力的ですが、今現状では株価が高騰しきってしまっているため、大幅な調整も予想されます。長期的な資産形成を行う上ではあまりおすすめできません。
以下、筆者が実際に投資しているファンドを含めて魅力的なファンドをランキング形式でお伝えしていますので参考にしていただければと思います。