こんにちは!今回はASEANの中でも低所得の部類に入るミャンマーについて見ていきたいと思います。ミャンマーといえばアウン・サン・スーチンが有名ですね。
総合商社勤務時代に為替部隊でミャンマーの通貨ミャンマーチャットのヘッジができないかと依頼ありましたが、不可能だということになったのを覚えてきます。
為替市場が未成熟なので、株式市場も未成熟なんだろうなというイメージですね。
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ミャンマー概要
ミャンマーはASEANの中でも今後発展していく、CLMV諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)の一角を担っています。
ミャンマーといわれてぱっと来ない方も多いと思いますので、以下に概要を纏めてみました。
【人口】5,100万人 (意外に多いなと驚きました)
【面積】68万km2 (日本の1.8倍)
【民族】ビルマ系
【言語】ミャンマー語
【宗教】仏教 (90%)
【一人あたりGDP】1,300USD
前回見たフィリピンの更に半分ですね。中所得国の罠といわれる10,000USDまでには遠いので、暫く順調に成長していくことが見込まれます。
【直近成長率】6.3%
アジア最貧国の一つだけあって、成長余地が多いことが伺えます。
【直近インフレ率】7.0%
成長圧力が強く、需要が強い為価格があがっていっているのでしょう。
それでは過去からの経済成長のモメンタム、産業構造や貿易についてみていきたいと思います。
ミャンマーの経済成長率
高成長を続けているミャンマーですが、過去からの推移はどのようになってるでしょうか。

2000年代前半は10%以上の高成長を行ってきましたが、その後は成長が若干鈍化しているという感じですね。
中国が最近まで10%成長をしてきたことを考えると、この一人当たりGDPが1300USDという状況ではもう少し高い経済成長率があってもいいなと思うレベルですね。
ミャンマーの人口動態
恐らく、綺麗なピラミッドであろうと想定しておりましたが、やはり以下のように綺麗な形をしております。

ただフィリピンの方が更にいい形をしていますね。
ここからミャンマーは労働集約型の産業である程度まで成長していけるので、若年層の人口が多いのは非常に重要なことです。
ミャンマーの経済成長のドライバー
ミャンマーの産業構造をみると以下のように非常にバランスの良い構造となっています。寧ろやはり後進国ですね。
農林水産業の割合が他のASEANに比べて高いですね。

左側の需要項目からみると、輸出ー輸入は寧ろマイナスで経済成長を索引しているのは内需の拡大である消費と投資が担っていえるといえます。
まだ発展の初期の段階であるミャンマーとしては投資の割合が高かったとしても、中国のように問題とはいえないでしょう。

参照:みずほ証券
産業別でいうと製造業とサービス業中心の成長となっており、徐々に農業中心から抜け出そうというのが見て取れます。
ミャンマーの貿易
次にミャンマーの貿易について主要な輸出入産品は以下になります。
【輸出】石油、豆類、衣類、米、木材
【輸入】精油、製造品、化学品、食品
主な輸出品が豆類、米という、、なんという、、豆類と米で15%あります。一番大きいのが石油で27%です。
フィリピンやタイのようにまだ、最終製品の組み立てを行うという段階にないということですね。
次に貿易先です。輸出先と輸入先を見てみましょう。
【輸出先】

【輸入先】

完全に中国に依存した貿易ですね!中国の動向が大きく影響する経済状況となっています。
中国の詳細については以下ご参照下さい。
ミャンマーの政治
ミャンマーは2016年3月にアウンサンスーチーが率いるNLDが歴史的な政権交代を果たしました。
然し、政権交代気の混乱で前政権時代に認可された高層ビル開発計画を差し止め、経済成長のドライバーの一つであった不動産市場が冷え込み、更にミャンマー投資委員会の委員制定の遅れで4月5月と海外からの直接投資が0になりました。
これらの理由で6%台に落ち込んだミャンマーの成長率も政治の落ち着きを取り戻し2017年には7%台を回復しています。
更に政府は2016年10月にミャンマー新投資法を成立させ、今後の海外からの投資の呼び込みの為の策を売っています。
ミャンマーの株式市場
そもそもミャンマーに株式市場なんてあるの?という疑問がありましたが、ありました。
2016年3月に取引開始となった出来立てほかほかの株式市場です。
なんと上場企業数は6社しかなく、ラオスの5社よりは多いですが、時価総額はラオスの二分の一程度です。
現在外国人投資家はおらず国内の投資家ばかりなのですが、当然株式取引のいろはを知らない人たちばかりなので、取引開始後MYANPIX (ミャンマー株価指数)が半分に下がったことで撤退している人が続出しているようです。
恐らく著しく低い株価となっていると思うのですが、まだ外国人が投資できない環境なので手を拱いてみているしか出来ませんね。実際どんなバリュエーションなのかも、調べてはみましたが分かりませんでした。
おすすめの新興国市場
ミャンマーは中国に依存しすぎているという点は難点ですが、今後の成長可能性、恐らく低バリューの株式市場という魅力があるにも関わらず、現状投資が出来ないという状況の為、そもそも投資が出来ません
然し、このブログでおすすめしているイランはそもそもミャンマーよりも成長率が高く、産業構造も資源偏重ではなく安定しております。
そして、株式市場が主要な銘柄ですらPERが4倍~6倍という異常な割安で放置され、配当利回りは18%以上の銘柄がごろついている魅力的な水準となっています。
以下にイランの魅力と投資する手法について纏めておりますので、参考にしてみて下さい!