定期預金としてお金を置いておくのはもったいない。けど、株式投資のように元本が変動する投資は怖くて手が出せない。
じゃあ、元本変動せずに利息がもらえる国債に投資をしようと考えている方も多いかと思います。
そのような皆様に向けて、本日は日本国債だけでなく米国や新興国の国債を含めて投資妙味があるのか?
という視点でお伝えしていきたいと思います。
Contents
日本国債で儲けることはできるの?
まずは我が国の国債について紐解いていきましょう。
個人向け国債の利回りは年率0.05%と低すぎる
日本国債については財務省が個人向け国債が販売されています。
個人向け国債ですが残念ながら利回りは年率0.05%と論外のレベルです。更に約20%の税金を徴収されるので手取りは年率0.04%しか得ることができません。

例え1000万円保有して年率0.04%で運用すると10年間で僅か4万円しか増えません。これは投資といえるレベルではありませんね。
金融資産推移 | |
1年目 | 1000.4 |
2年目 | 1000.8 |
3年目 | 1001.2 |
4年目 | 1001.6 |
5年目 | 1002 |
6年目 | 1002.4 |
7年目 | 1002.8 |
8年目 | 1003.2 |
9年目 | 1003.61 |
10年目 | 1004.01 |
何故、日本国債の金利が低いのか?
日本国債の金利が低い理由は日本銀行の大規模な金融緩和が原因であることは疑いようがありません。
現在日本銀行が行なっているイールドカーブコントロールという政策は10年物の国債金利を0%近傍に調整するという政策です。
基本的に国債は返済期日が長いものほどリスクプレミアムが乗るため金利が高くなります。10年の金利が0%ということは10年までの金利は0%未満であることを意味します。

これを考えると、個人向け国債は3年-5年でも0.05%の金利をつけてくれているだけ、まだましと言えますね。
今後も日本国債金利は低い状態が継続するのか?
かつてバブルの時は日本の10年国債金利も8%以上の金利がついていました。しかし、その後国債金利は下落の一途を辿り現在では殆ど0%となっています。

日本銀行が金融緩和を続けているのは、金融政策目標としている2%のインフレが一向に達成されないからです。
以下は日本のインフレ率ですが消費税を増税した時をのじて他の先進各国と比べてもインフレ率が地をはっています。

適度なインフレが発生しているということは、人々がモノやサービスを欲する需要が年々上昇していることを意味して適度な成長のドライバーとなります。
しかし、インフレが発生していないということは消費が上向いておらず成長できていないことをいみしているのです。
事実日本は殆ど0%成長を続けています。
日本は殆ど上がらない賃金と増加する税負担の増加で可処分所得が増加せずに他国に比べて国民が貧困化しています。

この状況を脱するためには減税をして、尚且つ政府支出を増やす必要があります。日本は本当はもっと政府がお金を使わないといけないのに、逆に引き締めるばかりの緊縮政策をとり国民を苦しめているのです。

日本政府は政府債務がGDP比最大と国民に喧伝しますが、9割が日銀と市中金融機関が保有しておりデフォルトの可能性はありません。
更に、日本は自国通貨の円の通貨発行権を日銀が保有しているので、返済不能に陥ることなど殆どなのです。
しかし、現状30年間ずっと緊縮政策をつづけているのでインフレは起こることもなく、虚しく意味の乏しい金融緩和だけをおこなっているのです。
日本政府はコロナでの財源を補填するために、また増税の議論を始めており、今後もインフレが発生することもなく今後も金利は0%近傍が長期間つづくことが見込まれます。
米国債は魅力的なの?
次に日本とは違い継続して成長している米国の国債について見ていきましょう。
米国債の金利も低くなっている
米国債はコロナショックが発生する前は10物国債で2%-2.5%で楽天証券やSBI証券などでも購入することができました。
しかし、現在コロナショックで金利が大幅に低下しました。

以下は現在楽天証券で取引される米国債券は以下の通りです。10年国債でも0.26%、25年金利だと1.09%となっています。
企業の債券である社債でも1%近辺という低い数値ですね。

米国のインフレ率は基本的に2%なので、実質利回りはマイナスということになりますね。
為替変動リスクを考慮に入れる必要性
あれ?けど、日本ではインフレが発生していないから日本人投資家目線ではプラスでは?と疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、インフレが発生している国と発生していない国では為替レートで理論的には調整がなされます。
例えば、今りんごが日本で100円、米国で1ドルで販売されていたとします。すると、1ドル=100円ということになります。
翌年、日本ではインフレが発生せずリンゴは昨年と同じ100円のまま、一方米国では2%のインフレが発生して1.02ドルになるとします。
すると、リンゴはリンゴで同じなので100円=1.02ドルとなります。つまり1ドル=約98円となり円高になるのです。
米国でインフレが発生し、実質金利(=名目金利-インフレ率)がマイナスということは理論的には日本の投資家もマイナスのリターンとなる可能性が高いことを意味しているのです。
また、ドル円レートは他の要因でも変動して以下のように大きく変動する時もあります。
以下はドル円の為替レートです。大きく変動する時は50%近く変動する可能性もあります。

1%の利息を得るために数十%の為替変動リスクを負うのは本末転倒ですね。価格変動リスクを恐れての債券投資のはずが、結果的に大きな価格変動リスクを負うことになってしまうのです。
新興国国債は利回りが高いが危険
新興国国債は日本や米国のような国債の利回りよりも高くなっています。トルコ国債に至っては年率15%という、とてつもなく高い金利水準になっています。

しかし、為替リスクが米ドル円とは比べものにならないレベルになっています。
以下はトルコリラ円のレート推移です。

過去10年で4分の1にまで下落しています。2008年から考えると約6分の1まで下落しています。15%のリターンには見合わないレベルのリスクを負うことになるのです。
安易にリターンが高いというだけで購入するのは控えるのが賢明でしょう。
価格リスクを抑えた安全な投資先とは?
今までの各国の国債について纏めると以下となります。
日本国債:非常に低金利で殆ど資産が増えず、今後も低金利の継続が見込まれる。
米国債:コロナショックで1%未満の低金利でインフレリスク加味すると実質マイナス
新興国国債:高利回りだが為替変動リスクが大きすぎて危険
米国債より圧倒的に高い5%以上で新興国債と同様の10%近いリターンを安全に獲得する方法も存在しています。
やはり、投資の王道といえば株式投資です。
株式投資と聞くと危険というイメージをお持ちのかたが多いと思いますが、理論に裏打ちされた安全な投資手法を実践すれば安全に運用をすることができます。
以下では筆者が投資している投資先を含めて、安全に高いリターンを獲得することが期待できる投資先についてお伝えしていますので参考にしていただければと思います。