資産運用を考える上で、「資産分散」の重要性を理解しておくことは非常に重要です。
株式投資をしている人はよくわかると思いますが、
一つの銘柄に自分の大事な資産を全て投下するのは危険ですよね。
一本足打法では利幅も大きくなりますが、損失を被る可能性も大きくなります。
必ずいくつかの銘柄に分散して投資をするはずです。
しかし、世界的な株安が発生すると銘柄分散しても殆ど全ての銘柄が下落しました。以下は日経平均とNYダウの株価の比較です。下落幅や上昇幅は違うものの基本的に同じような動きをしていますね。

資産運用では株式だけではなく、債券、不動産、商品などの資産に分散することは非常に重要です。
今回は分散投資の投資対象を列挙した上で、長期で高い成績を残し続けている米国一流大学の年金基金(エンダウメント)のポートフォリオを紹介していきたいと思います。
最後に個人投資家が組成できるエンダウメント流のポートフォリオについてもお伝えしていきます。
Contents
資産分散の方法・投資対象は何になる?
まず資産分散を行う上で投資対象となるものに、どのようなものがあるか見ていきましょう。
伝統的な投資対象
資産分散を考える上で伝統的な選択肢は以下の二つです。株と債券は王道中の王道です。
- 株式
- 債券
株式の中にも大分類として「国内株」「先進国株」「新興国株」があります。更に、その中にも「大型株」「小型株」という括りや「バリュー株」「グロース株」という詳細な分類に分けられます。
債券の中にも、「日本債券」「先進国債券」「新興国債券」があります。更に、その中にも「国債」「社債」という括りや「長期」「短期」という分類に分けられます。
注目度が高まるオルタナティブ投資
今までの伝統的な株や債券以外にもオルタナティブ投資といわれる投資先が隆盛を誇っています。
オルタナティブ投資は株や債券とは異なる動きをする資産で、ポートフォリオの安定性を高めることができます。代表的なオルタナティブ投資先は以下があります。
ヘッジファンド | どんな市況でも収益を目指す絶対収益型のプライベートファンド |
PEファンド | 未公開株に投資をして売却又は上場で利益を狙う |
不動産 | 現物不動産やREIT |
商品 | 金、銀、原油、穀物等 |
資産分散ポートフォリオはどのように組むべきか?
ポートフォリオとは「財産目録」が本来の意味ですが、具体的な定義は以下の通りです。
ポートフォリオ
投資では全体のリスクを低減するために対象を分散する。この異なるリターンとリスクを持ついくつかの資産の組み合わせをポートフォリオと呼ぶ。
機関投資家が運用する複数の株式あるいは債券を組み合わせたものや、個人が運用する場合の株式、債券、不動産、生命保険などを組み合わせたものなど、
目的と資産に合わせた組成が可能。長期の運用では特に、適切に分散されたポートフォリオを構成することが重要となる。
出典:ポートフォリオ
つまりはリスクを低減するために投資対象を分散していくことですね。資産分散をする上で重要なのは大事な資産を「守りながら増やしていく」という視点です。
文字の定義だけ見ても難しいと思います。このような時は、実際に成功している資産ポートフォリオをモデルに、自分のポートフォリオを構築していくのがおすすめです。
例えば、ハーバード大学基金などのエンダウメントは積極的に資産分散しており良いお手本とも言えますので紹介していきたいと思います。
ハーバード大学基金のポートフォリオ・資産分散割合を参考にしよう
では、実際に長期間高いパフォーマンスを上げ続けているハーバード大学基金のポートフォリオを確認していきたいと思います。
ちなみにハーバード大学基金は20年間の長期の累積・年間収益で、平均10%を超える利回りを上げております。

当然英語となっているので日本語訳にし、資産割合が大きい順に並べてみました。

資産項目 | 資産分散割合 |
ヘッジファンド | 33.00% |
上場株 | 26.00% |
未公開株 | 20.00% |
不動産 | 8.00% |
債券 | 6.00% |
コモディティ | 4.00% |
現金 | 2.00% |
その他 | 1.00% |
内容を見てみると、金額が大きいというのもありますが、かなり多種多様な投資を実行していますよね。
未公開株を20%、上場株に26%投資しながらもヘッジファンドで堅実にリターンを狙っていますね。ヘッジファンドというのは、どのような市況であってもプラスのリターンを狙う絶対収益型のファンドです。
→ ヘッジファンドと投資信託の違いについてわかりやすく解説!中間に位置するヘッジファンド型投資信託と共に紐解く。
→ 投資家視点で優良ヘッジファンドの見分け方をわかりやすく解説!海外ヘッジファンドとの比較も通じて優秀なファンドを紹介。
ヘッジファンドは筆者もポートフォリオの主軸を占めており、コロナショックを含めて市場下落局面であっても安定した成績を残してくれています。
2020年のコロナショックの後では既に金利水準が下落しているので投資妙味がなく、比率は通常時に比べて少なくなっています。
日本は日銀の大規模緩和で金利は0%で張り付いていますが、米国の長期債券でも0%台となっており債券投資の旨味は消失していますね。

***イェール大学のポートフォリオも参考にしよう!
この他アメリカの名門・イェール大学も資産分散は実行しており、こちらも参考にしてみるのも良いでしょう。イェール大学は過去30年間平均年率12.6%という素晴らしいパフォーマンスを挙げています。
Over the past 30 years, Yale’s investments have returned an unparalleled 12.6 percent per annum
Ref:Yale Univ
以下はイェール大のポートフォリオの推移です。

やはり、一番ポーションを占めているのは「Absolute Return」つまりヘッジファンドですね。次にベンチャーキャピタル(=Venture Capital)とPEファンド(=Leveraged Buyouts)が幅を利かせていますね。
ハーバード大と同様にオルタナティブ投資の比率が非常に高く、債券の比率が低いことが伺えますね。
エンダウメント流のポートフォリオを組もう!
いままで見てきた通り、ヘッジファンドをはじめとしたオルタナティブ投資の比率が高いことがご理解いただけたかと思います。個人投資家が組成可能なポートフォリオとして以下が推奨できます。
資産項目 | 投資対象 | 資産分散割合 |
ヘッジファンド | BMキャピタル | 40.00% |
全世界株 | VT全世界分散投資ETF | 30.00% |
REIT | 1659米国リートETF | 10.00% |
債券 | TLT長期米国債ETF | 5.00% |
金 | GLD金ETF | 5.00% |
現金 | – | 2.00% |
ヘッジファンド以外は証券会社のETFで購入することができます。ヘッジファンドに関しては直接問い合わせて問い合わせを行う必要があります。
筆者が投資しているBMキャピタルは、まさにどのような局面でも利益を狙う絶対収益型のファンドとしての側面を強く有しています。
今回のコロナショックのような市場が大暴落する局面でも無傷で乗り切り、安定して10%程度のリターンを出してくれる長期投資には欠かせない投資先となっています。
以下で詳しくお伝えしていますので参考にしてください!
→【体験談】危ない?怪しい?巷で評判のBMキャピタル(BM CAPITAL)を出資の経緯を含めて実際の投資家が徹底評価!
まとめ
株式だけでなく、債券やオルタナティブ投資を組み合わせることで安定したリターンを叩き出すポートフォリオを組成することができます。
長期間にわたり高い成績を出しているエンダウメントはオルタナティブ投資に多くのポーションを投資しており、安定して市場平均を凌駕するリターンを叩き出しています。
近年は個人投資家も投資できるヘッジファンドもでてきており、安定したリターンをたし注目を集めています。
株式だけでなくオルタナティブ投資も組み合わせて安定した資産運用を行なっていきましょう!