代表的なのは「ひふみ投信」ですがセゾン投信や鎌倉投信、さわかみ投信と取り上げてきました。
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本日は同じく独立系の投資信託である「ありがとう投信」について紐解いていきたいと思います。
Contents
ありがとうファンドの特徴とは?
まず、ありがとうファンドの特徴について見ていきましょう。
ファンド・オブ・ファンズ形式で運用
ありがとうファンドはファンド・オブ・ファンズ形式で運用されています。
ファンド・オブ・ファンズ形式とは文字通りファンドに投資をするファンドということです。つまり「ありがとうファンド」自体が直接株を購入するわけではなく、ファンドに分散投資をしているということですね。

運用形態としては以前お伝えしたセゾン投信と同じですね。以下が2021年4末現在のファンドのポートフォリオです。
銘柄 | 資産クラス | 比率 |
---|---|---|
アライアンス・バーンスタイン-アメリカン・ グロース・ポートフォリオ |
先進国株式(米国) | 19.0% |
アリアンツ・ユーロランド・ エクイティ・グロース |
先進国株式(欧州) | 17.5% |
アリアンツ・ヨーロッパ・エクイティ・ グロース・セレクト |
先進国株式(欧州) | 9.0% |
アバディーン・スタンダード・ノースアメリカン・ スモーラーカンパニーズ・ファンド |
北米小型株式 | 12.1% |
アライアンス・バーンスタイン-エマージング・ マーケッツ・マルチアセット・ポートフォリオ |
新興国株式及び債券 | 6.2% |
アバディーン・スタンダード-エマージング・マーケッツ・ スモーラーカンパニーズ・ファンド |
新興国小型株式 | 11.1% |
アライアンス・バーンスタイン-エマージング・マーケッツ・ ロウ・ボラティリティ・ エクイティ・ポートフォリオ |
新興国株式 | 6.2% |
コムジェスト日本株式ファンド | 日本株式 | 4.3% |
iシェアーズ ゴールド・トラスト | 金ETF | 2.2% |
SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト | 金ETF | 0.7% |
投資対象は全世界の株式
ありがとうファンドは全世界お株式を中心として、債券や金などのコモディティにも分散投資をしています。
わかりやすく2021年4末時点でのポートフォリオにすると以下になります。欧州株と新興国株の比率が高いポートフォリオということになりますね。あとでリターンの欄で詳述します。

ありがとうファンドでは短期的な取引ではなく、長期的な投資を推奨しています。短期的な値動きに右往左往しないように投資家に促してるわけですね。
ありがとうファンドの手数料形態
投資信託には指数に連動するインデックス型投信とインデックスに対してアウトパフォームを狙うアクティブ型投信に分かれます。
基本的に調査費用などが発生するためアクティブ型投信の方が高い手数料形態となっています。
ありがとうファンドの手数料形態は以下の通りとなっています。購入手数料は無料ですが、信託手数料は0.99%(税込)となります。
アクティブ型投信の中では低い手数料形態といえますね。
ありがとうファンドの成績は堅調!?
それでは「ありがとうファンド」の成績について紐解いていきたいと思います。
「ありがとうファンド」の設定来の成績
ありがとうファンドの成績は以下の通り世界の株式市場と同じ動きとなっています。

過去10年間の年率リターンは10.01%でリスクは15.3%となっています。投資におけるリスクとは標準偏差のことです。
→ 【ハイリスクハイリターン投資とは?】投資におけるリスクを理解してローリスクミドルリターン以上の資産に投資をしよう!
平均リターン10%から±15.3%の▲5.3%-25.3%に収まる確率が約68%
平均リターン10%から±15.3%×2の▲20.6%-40.6%に収まる確率が約95%
平均リターン10%から±15.3%×3の▲35.9%-55.9%に収まる確率が約99.7%
ボラティリティは非常に高く大きく下落する可能性がある点は覚悟していなければいけません。下落をミニマイズしながら安定的なリターンを出したいという方は以下のランキングも参考にして頂ければと思います。

TOPIXやS&P500と比較
ありがとう投信は世界に分散投資をしているので日本のTOPIXと米国のS&P500指数と比較する必要があります。
以下、ありがとうファンドとS&P500指数とTOPIXの、ありがとうファンドの設定来の比較チャートが以下となります。

TOPIXに対してプラスのリターンにはなりますが、米国のS&P500指数に劣後する成績となっています。
セゾン資産形成の達人ファンドと比較する
同様に世界の株式に分散投資しているセゾン資産形成の達人ファンドと比較してみましょう。以下がありがとうファンドとセゾン資産形成の達人ファンドの比較です。

セゾン資産形成の達人ファンドに比べて劣後した成績となっています。
ありがとうファンドの今後の見通し
重要なのは今後の見通しです。以下もう一度ありがとうファンドのポートフォリオをご覧ください。
米国は全世界の時価総額の50%をしめるウェイトをしめていますが、ありがとうファンドは約30%しか組み込まれていません。

一方、世界のの約20%をしめる欧州株については、ありがとうファンドは30%とオーバーウェイトして組み入れています。また、若干新興国株もオーパーウェイトしています。
新興国株については期待できるのですが、欧州株をオーバーウェイトしていることは看過できません。
欧州は人口減少国家が立ち並び欧州連合(EU)はBREXITを契機として不安定な状態となっています。今後も金融政策をECBに統合したことによる債務問題が再燃すると考えています。
今後も世界株の平均成績に対してアンダーパフォームすると筆者は考えており、投資妙味は薄いと考えています。
まとめ
ありがとうファンドは「ありがとう投信」が運用から販売まで一貫して行う独立系の投資信託です。
世界株式に分散投資しているファンド・オブ・ファンズ形式で運用されていますが、同様のセゾン資産形成の達人ファンドに対して劣後した成績となっています。
また、当然株式が主流であるため株価が大きく下落する局面も度々訪れます。下落することなく安定的なリターンを目指したいという方は以下のランキングも参考にして頂ければと思います!