楽天投信投資顧問が運用しているレバレッジ型投資信託は投資家からも人気です。
2020年9月25日時点での楽天証券での買付ランキングは以下の通りとなっています。楽天日本株4.3倍ブルが1位で、SBI日本株4.3倍ブルが5位となっています。

しかし、結論から申し上げるとレバレッジ型の投資信託はベア型であってもブル型であってもおすすめすることは出来ません。
本日は両ファンドがどのような投資信託かをお伝えして上で、なぜ推奨できないファンドなのかをお伝えしていきたいと思います。
Contents
レバレッジ型投資信託とは?ブル型とベア型の違いを含めて解説
まずレバレッジ型投資信託とはどのような投資信託かについて見ていきたいと思います。
レバレッジ型投資信託とは?
レバレッジ型投資信託は多くの方が誤解しています。
例えば2倍のレバレッジをかけた場合、1ヶ月後に対象となるインデックスが10%上昇したとするとダブルブルのレバレッジは20%上昇すると考えている方が多いと思います。
しかし、実際には20%上昇になるわけではありません。

あくまでレバレッジ型投資信託がレバレッジをかけるのは日々の値動きに対してです。
そして、この日々の値動きに対してレバレッジがかかることがレバレッジ型投資信託の弱点なのです。
相場が横ばいだと基準価格が下落する
レバレッジ型の投資信託の場合、相場が思った方向に動けば大きな利益を獲得することができます。しかし、違う方向に進む場合は勿論のこと小康状態の場合でも基準価格は下落します。

1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | |
日経平均 | 22000.0 | 19800.0 | 21780.0 | 19602.0 | 20000.0 |
前日比騰落率 | 10.0% | -10.0% | 10.0% | -10.0% | 2.0% |
投資時点 からの上昇率 |
10.0% | -1.0% | 8.9% | -2.0% | 0.0% |
トリプルブル | 26000.0 | 18200.0 | 23660.0 | 16562.0 | 17570.8 |
前日比当落率 | 30% | -30% | 30% | -30% | 6% |
投資時点 からの上昇率 |
30.0% | -9.0% | 18.3% | -17.2% | -12.1% |
対象となる日経平均が5日後に結局同じ価格に戻ったとしても、レバレッジ型投資信託はマイナスのリターンになってしまうのです。
つまり、相場が一方向に動いている時しかレバレッジ型投資信託はうまくワークしないのです。
→ 株式投資初心者にレバレッジ投資信託はおすすめできない!長期投資に不向きな理由をわかりやすく解説する。
ブル型とベア型とは?
ではブル型とベア型とは何をさすのでしょうか?ブルは動物の雄牛でベアは熊ですよね。

ブルは角が上向きなのでマーケットの流れにそってレバレッジをかける型のレバレッジファンドです。一方、ベアは熊なので覆いかぶさる動きが連想されます。故にマーケットの流れと逆向きにレバレッジをかける形態のファンドとなります。
つまり4.3倍ブルというのは対象となる指数の日々の値動きに対して4.3倍の値動きとなることを目指します。3.8倍ベアというのは対象となる指数の日々の値動きの逆向きに3.8倍の値動きとなることを目指します。
楽天日本株4.3倍ブルとはどんなファンド
まずは楽天日本株4.3倍ブルについてみていきましょう。
日本の株価指数の日々の値動きに対して4.3倍の動きを目指す
楽天日本株4.3倍ブルは日本の株価指数の日々の値動きに対して4.3倍の動きを目指します。レバレッジをかけるのは株価指数先物取引を用います。
対象となる指数に対しては明言されていませんが日経平均株価指数先物を利用しているので日経平均に対してレバレッジをかけています。

楽天日本4.3倍ブルの高い手数料
楽天日本株4.3倍ブルの購入手数料は3.3%と超高額です。さらに、年率信託手数料は1.243%となり、初年度の手数料は4.543%となります。
先ほどお伝えした通り、レバレッジ型投資信託は長期投資に適した投信ではないので回転を早めてできる限り購入手数料を徴収しようという狙いが透けて見えますね。
→ 投資信託は儲からない!?大損しないための投信の選び方を含めてわかりやすく解説する!
楽天日本株3.8倍ベアとはどんなファンド?
楽天日本株3.8倍ベアも同様に日経平均の日々の値動きに対して▲3.8倍となる値動きを目指すファンドとなっています。
日経平均先物の空売りを活用してレバレッジをかけています。
手数料形態は楽天日本株4.3倍ブルと全く同じで高額となっています。
楽天日本株4.3倍ブルと楽天日本株3.8倍ベアの成績
それでは肝心の成績について見ていきたいと思います。
青:楽天日本株4.3倍ブル
赤:日経平均株価

2015年末から日経平均株価650%上昇していますが、楽天日本株4.3倍ブルも同様に60%しか上昇していません。それでは2020年から運用を開始した楽天日本株3.8倍ベアとともに比較した図をご覧ください。
青:楽天日本株4.3倍ブル
緑:楽天日本株3.8倍ベア
赤:日経平均株価

コロナショック後の大相場で当然3.8倍ベアは悲惨な成績になってますが、4.3倍ブルも日経平均とほぼ同じ成績になってしまっています。
取っているリスクに対して、見合わないリターンということになります。
まとめ
レバレッジ型投資信託は人気ではありますが大きな落とし穴があります。
相場が思った方向とは逆方向に進んだ場合は勿論として、横ばいの期間がつづいても基準価格は下落します。
楽天日本株4.3倍ブルも楽天日本株3.8倍ベアも長期的にみると基準価格を大きく落として推移しており長期投資には全く適していない投資信託となっているのです。
レバレッジ型投資信託を起用するのであれば、相場の流れに確信をもっているワンポイトで短期間に使うのがよいですが、手数料がそもそも高いという難点もあります。
長期的に安定的に資産を形成するのに適したファンドを、筆者が実際に投資しているものを中心に以下ランキング形式でお伝えしていますので参考にしていただけばれと思います。